指数理論とは
競馬の予想会社などが独自に算出している指数というものがあります。以前出走したレースを様々な角度から分析し、その馬のもつ潜在能力を数値化したもののことです。本来競馬の予想というものは、その予想する本人の主観や調子の波に左右されがちです。しかし、馬ごとの本質的な能力を全部数値化して表せたら楽ですよね。 単純に馬の能力を順番づけられるのですから、上位ほど勝ちやすいということになります。
しかしその能力値の算出法というものは、予想会社の機密事項となっているものが多く、個人で算出するには予想ソフトなどを利用する必要があります。基本的に指数を利用している会社は、会員登録制となっていて有料で、お金を払ってその指数を１月、あるいは１年単位で購入して予想に取り入れるという形になります。この指数にたよれば、自分の主観に左右されず馬券を買えるので安定した結果が得られるかもしれませんね。
西田式スピード指数
現在、ファンの間で使われているもっともポピュラーなスピード指数が「西田式スピード指数」と呼ばれるものです。もともとスピード指数はアンドリュー・ベイヤーが考案したものでした。ベイヤーの理論は、異なった日に、異なった競馬場、異なった距離で走った馬たちのタイムを、同じ物差しで比較することを可能にしました。西田式もベイヤーの理論に準拠したものです。
競馬新聞に記載されている「持ちタイム」はそのタイムを出した時の条件がそれぞれに異なりますから、それをそのまま比較してもあまり意味がありません。例えば、Ａ馬は東京の芝1600ｍを１分３４秒５で走った。Ｂ馬は京都の芝1600ｍを１分３５秒２で走った。さてどっちが速いでしょう？と比べても、それぞれの日の馬場状態が分からないし、背負っていた斤量や競馬場ごとの違いも加味して考えないと間違った結論を出してしまう可能性があります。そこで、それぞれ異なった競馬場、異なった距離、異なった斤量で走ってきた馬たちの走破タイムを、同じテーブルの上で比較しようというのがスピード指数なのです。
スピード指数の仕組み
スピード指数というのは競走馬の走破タイムを数値化したものです。通常、レースに出走する各馬の前走の走破タイムはそのままでは比較できません。それぞれ走ってきた競馬場も違えば距離も違います。また間違った結論を出してしまう可能性があります。そこで、それぞれ異なった日に、異なった競馬場、異なった距離、異なった斤量で走ってきた馬たちの走破タイムを、同じテーブルの上で比較しようというのがスピード指数なのです。
ここで西田式スピード指数の算出方法を掲載しておきます。
スピード指数＝
(基準タイム－走破タイム)×距離指数＋馬場指数＋(斤量－５５)×２＋８０
この計算式さえあれば、誰でもスピード指数を求められるじゃないかと思われるかもしれませんが、計算式の中に組み込まれている基準タイム、距離指数、馬場指数などは自力で算出するのはかなり面倒くさい作業となるので、結局は購入せざるを得ないと言えるでしょう。
直結指数
他には、「直結指数」というものもあります。指数が高い馬ほど当該レースに対する「適性」が高いことを示し、指数上位馬を狙うことによって馬券を的中させる予想理論のことです。この指数は、競走馬がレースを勝つために、最も重要な要素を「適性」に置いた指数です。レース回顧や騎手コメントでも、人気薄の馬が激走した時、あるいは人気馬が凡走した時に、必ずといっていいほど、コース・馬場に対する「適性」について語られているのを見かけます。当たり前のことですが、レースが終わってからその事実に気付かされても遅いですよね。
馬券を的中させるためには、レース前に出走馬の中から当該コースに対する「適性」を持っている馬を、的確に見つけ出す必要があります。そんな時に「直結指数」を確認すれば、各馬の「適性」を丸裸にできるというものです。
指数理論のまとめ
スピード指数は、その馬の絶対能力を数値化したものということで、客観的にそのレースを分析することはできますが、スピード指数を使った予想法でも、それ以外の指数も同時に組み合わせての予想が推奨されています。たとえばペース指数だったり、先行指数であったり、上がり指数であったり・・・。予想の軸をスピード指数や直結指数に求めたとしても、それ以外の指数を組み合わせることを考えると、結局はどの情報を一番大事とするかという競馬予想本来の問題に立ち返ることになります。
指数予想は、自分の主観の位置づけの低さに特徴があると冒頭で述べましたが、結局のところ最終的に馬券の購入を決めるのはあなた自身です。たとえそれが、基本のスピード指数にそった上位から順番に買うというものだったとしても、買い目の決断は自分自身に委ねられているということを忘れてはいけません。指数というのは馬券の必勝法ではなく、あくまで予想の精度を高めるものであり、競馬を予想する上での重要な情報となりうるうちの一つととらえたほうがいいでしょう。
